”あい”より”天衣”派、みそじです。
2018年8月9日に発売された「りゅうおうのおしごと!9」読みました!
正確には発売日直後に買って読んでいたのですが、面白すぎて何回も読み直してブログに書くのを忘れてました。
今回の巻は様々な意味でキャラクターの成長が垣間見れる最高の巻です。
個人的には5巻の名人との対決より面白くて、まさかあの5巻を超えられるとは予想もしてませんでした。
ここから先はネタバレありなので注意!
りゅうおうのおしごと!9巻のあらすじ
夜叉神天衣。
わずか十歳にしてタイトル挑戦を決めたシンデレラは、両親の墓の前で誓いを立てていた。
「お父さま、お母さま。必ず女王のタイトルを手に入れます……私たちの夢を」
しかし彼女の前に立ちはだかるのは、史上最強の女性棋士にして師匠の姉弟子――空銀子。
二人が争うのは女王のタイトルだけなのか、それとも……?
≪浪速の白雪姫≫と≪神戸のシンデレラ≫が遂に激突!
アニメ化も果たしますます過熱する盤上のお伽話、家族の絆と感動の第9巻!
シンデレラの頬を伝う一筋の涙を、若き竜王の飛車が拭い去る――!!
表紙をみれば予想はつくでしょうが、天衣がメインのお話です。
いままではツンデレヒロインとしての地位を確立しつつも、八一に対して好意をストレートに表したことはあまりありませんでした(他人からみればバレバレですが)
それが今回はデレます。デレデレでした!
ツンからデレに変わる過程は、いつ見ても素晴らしい・・・ツンデレはいいぞ
りゅうおうのおしごと!9巻の感想

さて、そんなりゅうおうのおしごと!9巻の作品としての感想ですが、天衣が主役の回とはいえ、他のメインキャラクターも出番がかなり多いです。
ある意味、総決算的な巻であるとも言えるでしょう。
登場人物全員の”成長”を感じられる構成
主人公の九竜八一、ヒロインの雛鶴あい、夜叉神天衣、空銀子はメインキャラクターとして描写が濃いのは当たり前ですが、個人的には捌きの巨匠”生石充”が一番好きになりました。
今まで使ってきた戦法を捨ててまで勝ちに拘っていた捌きの巨匠が、八一との対局を終えて原点を思い出すのは王道ながら素晴らしい話だと思います。

夜叉神天衣の成長がテーマの回ですが、それに刺激される形で雛鶴あいも心境の変化があり、次の巻が楽しみです。
天衣が可愛すぎてつらい
空銀子と夜叉神天衣の直接対決はどうなるんだろう?と読む前に予想はしていたのですが、ある意味で予想道理であり、ある意味で予想外な展開になりました。
予想道理なのは”夜叉神天衣”が負けることであり
予想外なのが姉弟子”空銀子”がここまで強いとは思ってなかったことですね
姉弟子が強いというのは全巻通して言われてきたことですが、主人公の八一視点から見るとイマイチ凄さを実感できないというか、正直に言ってしまえば「どれだけ強くてもプロレベルからすると弱いんでしょ?」というある種の侮りがありました。
今回の巻はその侮りをぶっこわしてくれました!
姉弟子があまりに強すぎて、天衣が意気消沈してしまいますが、言葉で応援するのではなく将棋の対局を通して応援するのは「りゅうおうのおしごと!」にしかできないですね。
りゅうおうのおしごと!5巻のセルフオマージュであり、八一が師匠としての自覚と成長が強く現れた描写には作者に脱帽するしかありません。
5巻に八一がされたことを、天衣がされてしまったら・・・そりゃ惚れますわ
『俺がタイトル戦に臨んだ時、ある人が大事な将棋を指した後でこう言ってくれたんです』
『「 今日はあなたのためだけに指した」って』
『だから今日は俺が、その人のために指しました。その人のためだけに』
姉弟子の強さ・怖さ・危うさ

今回の姉弟子は不憫回といってもいいでしょう。
9巻の裏メインヒロインであり、姉弟子の目指す場所の難しさを一層際立たせる話でした。
どれだけ女性の中で将棋が強くても、女性の中で最強の称号を得ても、望んでいる八一と同じ立場になれない「性別としての差」
昨今話題の男女平等、ポリコレとは真っ向から対立する描写ですが、現実として男女の能力差はあります。
将棋という競技の分野においては、見えないけど絶望的な差であり、姉弟子の心境や覚悟を考えると、女性で最強というのはただの通過点でしかないことを強く意識させられましたね。
総評:りゅうおうのおしごと!9巻は歴代最高の神巻である。異論は認めない
りゅうおうのおしごと!は最近読んだライトノベル作品のなかでも特に好きな作品ですが、今回はそのなかでも特に好きな巻になりました。
主人公が格好良く、ヒロインが可愛いく、サブキャラの存在感のバランスが特に良かったと思います。
本当に次の巻が楽しみすぎてツラい