メンタルヘルス

ニートを脱出するのに「やる気」はいらない

精神論に苦しめられた男、みそじです。

「やる気」があれば何でもできる

いい言葉ですよね・・・それができれば苦労しませんけど!

ニートを脱出しようと藻掻いていたころ、「やる気」について常に悩んでいました。「やらなければいけない」ことは思いつくだけでも沢山あったからです。

論理的に考えていくと、いくらでも改善点は見つかるんです。「日光を浴びる」「規則正しい生活」「資格を取る」「ハローワークに行く」さまざまなことを調べましたが、中々うまくいきません。

考えるだけで、実行にうつせないからニートなんです。

なぜニートを脱出できないのか?

それは「自分の本能」と勝負しているからです。

人間は変化を恐れる

人間に限らず、生き物全ては変化を恐れます。

「現状維持バイアス」とも呼ばれるこの心理作用は「大きな変化や未知のものを避ける」性質を持っています。これの厄介な部分は非合理的な事柄でも、現状維持を優先して選択してしまうのです。

『このままじゃダメだ』と頭で理解していても、体が動かないのはこの作用が働くからです。ビジネスの世界では「茹でガエルの法則」とも呼ばれ、変化に対応する事の難しさを警告しています。

『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』 Wikipedia:茹でガエルの項目より引用

実は科学的には誤りだと言われていますが、それでもビジネスの世界では教訓のひとつとして定着しています。こうして言われてるのにもかかわらず、現状維持を選択した経営者が、新しい変化に耐えられずに経営破綻している例が後を絶たない現状。

「現状維持(ニート)をやめて新しいことに挑戦する」

これは、あなたが想像している以上に大変で、そして偉大なことです。

ニートのあなたはレベル1の勇者だ

ニートをやめるにはどうすればいいんだ?という話ですが、現状維持の本能は強大です。RPGで例えるなら、ひのきの棒を持ったレベル1の勇者が魔王に戦いを挑むぐらい戦力差があります。

レベル1の勇者が魔王を倒すにはどうすればいいのか?

まずは「ひのきの棒」をやめることです。レベル1の勇者なら伝説の武器と呼ばれるものを装備しなければ勝負になりません。伝説の武器なんてものは、道端で拾えるようなものではありませんし、仮に店売りされていても膨大な金額を支払わないといけないでしょう。

次は仲間を増やすことです。レベル1の勇者1人だと一発攻撃を食らったらゲームオーバー。せめて復活魔法が使える僧侶と、高火力の魔法使い、攻撃を防いでくれる戦士がほしいところです。

ここまで対策しても勇者が勝てる確率は1%以下です。だって勇者本人は弱いままですから

本能と真正面から戦うのは、これぐらい無謀な話です。RPGをプレイしたことがある人なら、更にいくつか攻略法は考えられると思います。ですが「レベル1で魔王に戦いを挑む」なんて真似はしないでしょう。

勝てる勝負のみ、静かに戦う

現状維持の本能と戦うのは無謀。ですが、本能は常に自分のことを見ています。ちょっとでも行動を起こすと、すぐに飛んできて戦おうとします。戦えば当然負けです。

戦わないためには、本能を騙すことが重要です。

例えば「毎日カーテンをあけて朝日を浴びる」よく言われますが、やってみると結構難しいです。途中でやめてしまったり、朝起きれなかったり、やっているのがバカバカしくなったりして続かない。なんてのは何度も経験しました。

これでもハードルが高いんです。

私は「毎日カーテンをあけて朝日を浴びる」から「毎日カーテンを触る」に変更しました。触るだけなら何時でもできますし、時間の指定もしませんでした。本能も「触るだけなら現状と変わらない」と判断してくれたのか、毎日続けることができたのです。

次に「毎日カーテンをあける」に変更しました。これも特に時間の指定はありません。「夜にあけて外の風景を眺めるだけ」という日もかなりありました。

ここから、偶然朝起きてたので「カーテンをあけて朝日を浴びる」というプロセスが出現します。少しずつ行動を広げていったので、本能は気づきません。

「毎日カーテンをあけて朝日を浴びる」ために、ここまで細分化させてようやく当初の目的を達成することができたのです。

現状維持の本能に勝つのは、本当に厳しいことです。バイタリティ溢れるビジネスマンですら負けるのですから、ニートであるわたしは「戦わずに勝つ」ことを目標に徹底しました。

ニートを脱出しなくても、「問題はない」

ニートから早く脱出したい

こう思う自分は、どこからその言葉がでてきたのでしょうか?

世間一般的にニートだと体裁が悪いから? 親に言われたから? 恋人や友人と会えないから?

人それぞれだと思いますが、結局ニートをやめたいと思っても行動できないときって、他人からニートと思われたくないんですよ。お金がなくて明日の生活すら困るならニートなんてすぐにやめます。

本当にニートをやめたいと思ったときは、他人の目なんて気にならなくなります。私の場合はPCにかじりついて、サイトを作って記事を書いてを繰り返してますが、他人の評価なんてものはあてにしません。

だって無駄ですから

もちろん良い部分は積極的に取り入れてますが、一番大事なのは自分なんです。自分を肯定できるようになれば自然にニートは脱出できます。

働けないなら生活保護でも受ければいいし、道端の路上で生活しても構いません。生きるだけなら日本は十分恵まれてます。

生きるだけならタダなんですよ現代は

ニートを脱出するのに「やる気」はいらない

もしニートをやめたいと思うなら、小さなことからコツコツと積み重ねてください。「徹底的に小さく」です。

「やる気」はいりません。

むしろ「現状維持の本能」に見つからないために捨ててください。淡々と小さな行動を積み重ねて、成功体験を多く感じることです。大きな1個の成功体験より、小さな100個の成功体験のほうが強いです。

 

自分に勝つのではなく「自分を騙す」ことこそ、ニート脱出への道だと思います。